インプラントの寿命は?
インプラントは、一生持つのだろうか?、虫歯になってダメになることはあるのだろうか?歯周病になってダメになることは?部分入れ歯やブリッジと比べてどうなのだろうか?など色々不安に思うことはあるかと思います
インプラント治療は、一度入れたら一生持つの?
よく聞かれる質問です。確かにインプラントの素材は、チタンまたはチタン合金で、腐食することも虫歯になることもありません。被せるセラミックも腐食しません。しかしインプラント自体が丈夫であっても、歯周病は天然の歯と同じ様にインプラントの周りの骨を溶かしていきます。それによってぐらつきが起きたりして脱落してしまうことがあり得るのです。一般的にインプラント治療では、10年の生存率は90㌫以上と言われています。入れ歯の寿命は平均5年、ブリッジは8~9年と言われているので、入れ歯やブリッジと比較しても良好な結果となります。ただいろいろな条件により変わりますので、一生長持ちする場合もあれば、あまり持たない場合もあります。ではどんなことがインプラントの寿命に影響するのでしょうか?
1 予防メンテナンスをしっかり行っているか!
歯周病菌は 痛みなくインプラントや天然の歯の周りの骨を溶かしていきますので、歯周病菌から守って頂くことによって、インプラントだけでなく天然歯も守ることに繋がります。歯周病予防には、二つあり、家庭で行う予防ケアいわゆる歯磨き(セルフケア)などです。あともう一つは歯科医院で歯科衛生士が行うプロフェッショナルケアです。歯やインプラントの表面には歯石、歯垢(プラーク)、バイオフィルムなどが付着します。これが歯周病を進行させてしまいますので、定期的の清掃、除去してキレイな状態を維持していければ、インプラントの寿命は延びて長持ちしやすくなります。
2 歯科医師がきちんとした埋入を行っているか!
インプラントという治療法を長持ちさせる要因として、埋入ポジション(位置)が大切になります。水平的(頬舌側的、近遠心的)、垂直的、傾斜角度などです。頬側のバルコニーは2ミリ、インプラント間は3ミリは少なくとも必要であることなど、いろいろな要件があるのです。すべての要件を考慮した埋入ポジションにインプラントを入れるには、手術する歯科医師の経験と技術、知識が必要となります
3 きちんとしたかみ合わせで咬ませているか!
咬合というものはとても重要であり、口の中全体がバランス良く咬めるようになることによって咬合力が上手く分散され、ほかの天然の歯も長持ちするので、天然の歯だけに大きく負担が掛からないようにインプラントの歯でも咬ませることが重要です。
4 一流のインプラントメーカーのインプラントを用いているか!
世界的に4大インプラントメーカーと言われるストローマン、ノーベルバイオケア、ジンマー、アストラテックなどのインプラントは、強度だけでなく、表面性状に優れており、歯周病になりにくいなど長期の残存率において高い実績があり、長期的に長持ちさせたいと思われているならば、品質が高く実績のあるインプラントメーカーを選んだほうが安心と言えます。
5歯ぎしりや食いしばりから守るためのマウスピースの着用
歯を失う原因の多くは、歯周病と食いしばりや歯ぎしりなどの悪習癖が2大原因と言われており、歯ぎしりや食いしばりは睡眠時に、その人の体重分もしくはその3倍もの力で咬んでいると言われており、その過剰な力により歯が破折したりダメになることが多い。そういった力から歯を守るためにマウスピースが必要で、着用によって歯が長持ちしやすくなる
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糖尿病や骨粗しょう症、喫煙の方なども、免疫力を低下させ歯周病を悪化させる原因となりますので、たばこを禁煙することも含めた全身の健康管理は、インプラントの寿命を延ばすのにとても大切かと思います
以上のことを気を付けてもらえれば、インプラントの寿命(生存率)を延ばして、長く使ってもらえるかと思います。しかしながら実際はどれほどの寿命だろうかと不安に思う方も見えるかと思います。インプラント周囲炎で、インプラントの周りの骨が溶けてしまった。人工歯の破損、インプラントの破折してしまったということも、全くないとも言えません。そんな時は、歯科医院によっては、きちんと予防メンテナンスに通ってもらうことを条件に、インプラントの10年保証期間を設けているところは最近は少しづつ増えて来ていますので、万が一何かあった時のために、きちんとした保障がある歯科医院選びをすることがいいかと思います